物件が決まっても、契約するまでにはいくつもの手続きが必要です。一つ一つしっかりと自分で確認し契約しよう。後でトラブルにならないためにも、わからないことは質問しておこう。
契約までの手続き
書類は自分でしっかりと確認し、契約しよう
■入居申込書の記入 物件が決まったら、入居申込書の記入をします。申込書には自分の情報だけでなく、連帯保証人になってくれる人の情報も記入するので、事前に確認しておこう。記入する項目はおもに以下のものとなります。 ■申込金を預ける 契約の意思表示のため、通常は申込書の提出と同時に申込金が必要。数千円から家賃1カ月分程度で、預けた時点でその部屋の申し込み順位を確保することができます。入居審査に通らなかった場合は、返金されます。ただし、不動産会社や物件により金銭処理は異なるので必ず確認を。また念のために、預かり証を受け取ることも忘れずに。 ■入居審査 提出した申込書や必要書類は、不動産会社から貸主の手に渡り、入居審査が行われます。チェックがされるのは安定した支払い能力があるか、風紀を乱すおそれがないかなどで、早ければ2~3日、長くても1週間程度で結果が判明。この間を利用して初期費用の残金支払い準備や連帯保証人への連絡などを行っておきましょう。 ■重要事項説明 仲介業者は必ず契約時に、重要事項の説明が義務付けられており、契約書に署名・押印する前に行われます。宅地建物取引士(宅地建物取引主任者)が、貸主・借主双方の権利や義務、契約内容を説明するので、疑問点があれば遠慮なく必ず質問しておきましょう。 ■契約手続きと残金の納入 重要事項説明の後、契約手続きへ。しっかり内容を確認した上で、署名・押印を。そして初期費用の残金納入期限が伝えられたら、不動産会社の指示に従い早めに納入しましょう。予告なく納入が遅れた場合は契約の意思がないとみなされることも。また、初期費用の入金は、正式に契約書を交わした後とすることもあるので、確認が必要です。
氏名 / 現住所 / 年齢 / 生年月日 / 勤務先 / 年収 / 同居人の有無 / 続柄、連帯保証人の氏名 / 連帯保証人の現住所 / 連帯保証人の勤務先住所 / 連帯保証人の年収 など
正式契約
契約書の内容をしっかり確認しておこう
契約書は2通作成され、貸主・借主双方が1通ずつ保有します。署名・押印の前に、重要事項説明と違ってないか、不明な部分がないかなど、改めて隅々まで内容を読んでおくこと。口頭で聞いた追加事項がある場合は、文書にしてもらえれば後々のトラブルを予防できます。成約後のキャンセルは原則不可能。費用は全額返ってこない場合もあるので、くれぐれも慎重に。 受けとった書類は退居の際に必要となる大切なものです。大切に保管しておいてください。
「私は不動産会社から契約に関する重要事項の説明を受けました」という意味の書類です。
大抵の場合、この書類は本契約の時に一緒に渡されます。しかし、本契約の1週間以上前にもらうことも可能なので、早めにもらってよく目を通しておくとよいでしょう。 また記載されている建物の設備など、事前に細かな部分まで再度確認して、判を押して提出しましょう。判を押してしまってから問題に気がついても、「重要事項説明書に書いてある免責です」と言われてしまいます。
例えば、月6万円の物件を契約する場合で、敷金2カ月・礼金1カ月・前家賃1カ月分・仲介手数料1カ月分(税抜)だとすると、
6万円×5カ月分=30万円 となり、約30万円必要となります。このほかにも保険の加入や引っ越しなどのお金が必要となります。 どれくらいのお金が必要かは前もって計算しておき、準備を怠らないようにしよう。
生活の中に「万が一」は付き物です。ボヤを起こしてしまったら大家さんに賠償をしなければならないですし、洗濯機の水を溢れさせて下の階へ水漏れを起こしてしまったら下階の人の被害に遭った家財を弁償しなければなりません。
入居者保険は、他の人への賠償をするだけでなく、あなた自身も守ってくれます。 盗難のよる家財の被害・台風で物が飛んできて割れてしまったガラスの交換費用などにも保険金が支払われます。 「自分だけは大丈夫」とは思わずに、偶然の事故に備えて入居者保険には必ず加入しましょう。
退去の告知
貸し主または代理人に文書等で退去(解約)の予告をする
賃貸住宅では退去にあたって必ず管理会社や貸主への事前通知が必要。一般的には退去する一カ月前までだが、中には2~3カ月前までというものも。通知期限や連絡先については契約書を参照のこと。記述がない場合は3カ月前までが原則となる。もしも予告が遅れてしまったら、新居の家賃を支払いながら旧居の家賃も支払う「二重家賃」期間が長くなるなど大きな出費を被ることに。 正式な退去は文書で行います。不動産会社や大家さんから指定の「退去通知書(解約通知書)」に現住所、転居先住所、敷金返却口座などを記入しよう。電話連絡だけで安心しないで、必ず書類を提出するようにしましょう。 |